HSP(highly sensitive person,非常に繊細な人)に関する本が非常に売れています。
もちろん私も読みました。
ただ気をつけなければいけないのは、
HSPの人が、
「本当の本当に、自閉スペクトラム症を持っていないのかどうか」
と言う点です。
HSS(high sensation seeking,刺激探究型)と言う概念も流行しているようです。
「好奇心が旺盛で飽きっぽく、クリエイティブで頭の回転が早い」
状態を指すようですが、
これはADHDの特性にほぼ当てはまります。
統合失調症気質にも当てはまる所があります。
このブログでは常に、
遠回りのようでも病識を深めることが
病気とうまく付き合う最短ルートである
と述べてきました。
そうはいっても、私も自分が発達障害であると認めるには5年ほどの歳月がかかりました。
臨床心理士の先生の診断が降りた今でも
自分は発達障害ではなくてHSS型HSPなのではないかと思うこともあります。
それは、私の親の、
「自分の子供が障害者であるなんて、みっともない、恥ずかしい、許せない! 認めない!」
という身勝手極まりないエゴに振り回されていたからでした。
認めてしまえば、認める前の苦悩がウソのように普通の暮らしです。
では、目下の関心事は、
医学的診断名である発達障害ではなく、
臨床心理士ではない、民間カウンセラーさんの集客用語として活躍している
HSPやHSSを使うと
どういう時に問題になるのか? です。
それはズバリ、周りの支援を仰ぎたい時。
特に会社や学校など、公的な機関や大きな組織を動かす時です。
友達や上司に理解を求めるレベルなら、
正直どんな用語でも大丈夫です。
発達障害であれば政府からの金銭的援助や、
公的支援サービスを受けることができます。
それは、発達障害が国が認める精神疾患の1つだからです。
でもHSPと言うのはただの性質や個性であるので、
どんなに配慮を求めたとしても相手に配慮義務は発生しません。
会社ではそれが顕著です。
診断書がなければ特別な配慮を求めるのは会社の努力次第と言うことになります。
「私はHSPだから、私はHSSだから」
と訴えても、誰も何もしてくれないし、相手にはしてもらえません。
それが良いことだとは思いませんが、現実的にはそうなっています。
ですので、
自分のことを自分でどう感じるか
ということと、
実際に社会に出て生きていくときにどんな支援やサービスを活用していきたいか
と言う点で、
必要な診断名が違うことになります。
専門家によって意見が分かれていますが
私は当事者として様々研究してきて
以下のような見解を持っています。
・HSP
→グレーゾーンの自閉スペクトラム症の可能性が高い(全員ではない)
・HSS
→グレーゾーンのADHDまたはトラウマ性発達障害である可能性が高い(同上)
・HSS型HSP
→生まれつきの自閉スペクトラム症が見逃され健常者として育てられ、トラウマ性発達障害を併発している可能性がある
または、統合失調症気質がベースにあり、なんでも敏感に分かってしまうと思い込んでいる可能性がある(統合失調症の方は好奇心旺盛で頭も良い方が多いが、病識を持てない病気)
なお、HSPの論客の先生方は
「共感ができるから自閉ではない」
とおっしゃいますが、軽度の自閉ですと共感力を子供時代に獲得しているケースがあります。
私もそうです。
いつ獲得したのかは知りませんが、
独特の自閉顔をしているけれど共感力はある。
結局、身体が強くて社会的強者の男の子は、共感ゼロでも生きられるのに対し、
発達障害持ちの神経過敏の虚弱な障害者女子は社会的にも身体的にも弱者すぎて、
共感能力がないと親に捨てられる/虐待死させられる恐怖があるので、
「私、自閉だから共感しないよ」
なんて悠長なことを言っていられないのです。
自閉虐待親との戦いは、その容赦の無さゆえに乳児ですら生きるか死ぬかですから。
分かりやすい自閉が3倍ほど男子に多いのは有名ですが、
それは今の診断基準であるDSM-5が「男子向け」すぎて、
適応型のグレーゾーン女子ASDを見逃すシステムになっているからでしょう。
もし自分のことをHSPまたはHSSだと強く思い込むことによって、
正しい病識から永遠に遠ざかってしまうのだとしたら、
それはご本人にとって最も不幸ですし、
家族や子供や会社やその他周りの人も不幸になります。
なぜか。
自分に有利な枠組みばかり利用していると、
「私は悪くない! 社会と環境が悪い! 変われ!」
的な被害者思考パラダイムに囚われて
自分を強くして乗り越えていくことをやめてしまうから。
それはPTG(ストレス後成長)の真逆。
PTSD(ストレス後障害)まっしぐらの思考法だからです。
現実をありのままに見ない時の副作用のひどさは、
身をもって知っているからこそ、
私以外の方にはこの苦痛を味わって欲しくないです。
病識を持たずに子供を産んでしまうと、
子供の人生は壮大に悲惨です。
親の圧力が子供を殺すことは今も起きている。
俳優の三浦春馬さんも親の圧に耐えかねていたことが
「週刊文春」夏の合併号に書かれていました。
特に女性のHSP(自閉)の方がお子さんを持って、
ワンオペ家事&育児&旦那の世話状態になった場合、
極めて虐待が起こりやすい状況が揃ってしまうと感じています。
と言うより私自身がそうやって親から虐待を受けました。
お母さんご自身に自閉スペクトラム症の自覚があれば、
自分の子供も自閉である可能性に思いが至り、
適切な支援サービスを受けることができますし、子供の発達障害症状に対して発達の遅さも許すことができます。
我が家では自分の娘を自閉症だとは一ミリも認められず、
1歳児健診の時に指摘された自閉傾向を握りつぶし、
その後も健常者として無理矢理育て続けました。
その結果私の身に起きた惨劇はこのホームページで散々書いている通りです。
お母様方にはどうか、
自分の子供に自閉やADHDの疑いが出たら
ご自身もしくはパートナーに発達障害の傾向があることも併せて認めてみてください。
お子さんがHSPまたはHSSだなと感じる方は
念のため発達障害についても調べていただきたいです。
普通の人だけどちょっと敏感とか、
普通の人だけどちょっと好奇心が強め
なんて呑気なレベルではなく、
発達障害の人が抱えている生きづらさは独特のものであって、
できない事は努力してもできません。
それを無理矢理やらせてしまうと、
私のように解離性障害になり、
さらに解離性同一性障害(多重人格障害)に自然と進みます。
みなさま、我が子を多重人格者にまで追い詰めたいですか?
多重人格障害にしてまで普通の子だと思い込みたいですか?
ご自身のお子さんをそこまで追い詰めたい親は
おそらくこの世にいないと信じています。
一番まずいのは、
自分の状態を正しく認識できない状態です。
発達障害の人は、不快な感覚を自分の脳と体で処理することが苦手です。
感覚過敏はそういう障害から来ているのです。
ですので追い込まれると、
なりふり構わず自分を追い詰めたり
容赦なく他人を追い込んだりしてしまいます。
自分を追い詰めると病気になり、
他人を追い詰めると社会不適応者や
モラハラ・パワハラ・いじめ・虐待の加害者になってしまいます。
無理矢理健常者として育てられた発達障害の人は、
モラハラやDVやイジメに手を染めやすいと私は感じています。
HSP=敏感な人という言葉が市民権を持つ事は
良い事だと思います。
しかし、グレーゾーン発達障害の人たちが正しい病識を持つことが邪魔されることだけは
勘弁してほしいと思っています。
結局、耳障りの良いことは、その場しのぎです。
勇気を持って本質を正面から捉える以外、
みんなが幸せになる方法はありません。
繰り返しになりますが特にお子さんに対してHSP
や
HSS
や
ギフテッド
と言うレッテル張りをするのは相当慎重に、
かつ発達障害のこともきちんと調べて、
さらにお医者さんで診断をしてもらってからでないとあまりにも危険が多すぎます。
夏休み家にいるのは地獄だった系!
この世から児童虐待を根絶したい勝手連の
はっちと、ハムりん軍団でした!
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