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「治らない病」克服日記はじめて来てくださった方へはじめになどまとめ記事(サイト内リンク集)モラハラ、自己愛性人格障害分析記事(病気、虐待、自己愛)身体的病気とトラウマ

ネット上の複雑性PTSDの疑問に、当事者が答えてみる

「治らない病」克服日記
この記事は約25分で読めます。
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なにかと話題のこの病気について、私個人の意見として答えてみます!

そもそもかなり曖昧で広い定義の病気ですし、特に日本では医師の間でも「こういう人がなる」という診断基準が定まっていないように感じています。

医学的定義はお医者さま発信に譲り、当事者個人の視点からネット上に上がっている疑問に答えてみます。

一応、定義はこちら。

ICD-11における複雑性PTSDの診断は、6つの症状クラスターから構成されています。 つまり、PTSDの3つの基準(「トラウマの再体験」、「トラウマ想起の回避」、「過敏(脅威感の増大や驚愕反応)」)と、3つの自己組織化の障害(「情動調節障害」、「対人関係障害」、「否定的自己概念」)

簡単な言葉に治してみますとこんな感じです。

①PTSD要件 いついかなる時も突然にフラッシュバックがあって大変すぎる

②PTSD要件 トラウマの原因となった体験を思い出したくなくて、仕事や生活に病的なまでに支障は出るけど避けて避けて避けまくる

③PTSD要件 交感神経系が昂り過ぎる状態が延々と続くので眠れないし休めない。その上、小さな物音や他人の嫌悪の表情、気配などですぐにビビり上がるので生活が大変過ぎる(繊細さんとは違う)

④複雑性PTSD要件 本来NGな場面でも突然怒ったり泣いたりすることを制御できない。感情が壊れてしまった人としか見えない

⑤複雑性PTSD要件 加害者に似た人を見ただけで意識を失ったり過呼吸になったりマジギレしてしまうレベルで、人間関係を正常に保てない(好き嫌いや苦手のレベルではない)

⑥複雑性PTSD要件 幼少期から否定しかされて来なかったため、常に「自分は死ぬべきなのに生きていてごめんなさい」と感じている。生きているか死んでいるかそもそも不明瞭

この6つをすべて満たしていることが診断の基準となります。これにプラスして、鬱症状や解離性障害、境界性パーソナリティ障害がプラスオンされるのが一般的です。

また、私のように小児期の虐待・事件事故があると、発達性トラウマ障害と言って後天的な発達障害的傾向も背負います。発達障害とは、自閉・ADHD・知的障害などの組合せで現れます。

神経系がイカれてしまうため、リラックス神経である副交感神経系が使えず、休みなく動き続けるために身体の病気に進むこともあります。

沖田総司から複雑性PTSDを考える

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複雑性PTSDは戦争に行った帰還兵の病気?

簡単にストレス障害を解説します。

最も軽いストレス障害が適応障害です。

ストレス状態で抑うつや身体の不定愁訴が起こりますが、ストレッサーから物理的に離れると症状が治るのが特徴です。

家庭トラブルなら引越しや離婚、学校なら転校、仕事なら転職することで健康を取り戻せる可能性が高いです。通院も短期間で抗うつ薬まで必要ないケースもあります。

ただし、ストレスに弱いという本人の問題を解決しないと再発リスクは高めです。

次にPTSD。これが戦争や一度きりの犯罪・事故被害によって起こります。

すごく簡単に言うと、適応障害を起こすストレス状態から「逃げられなかった」人がなると考えてください。戦争や事故、レイプや傷害などは逃げようも避けようもないですよね。

被害者は「いつまたあの逃げられない状況になるのか」と怯え続けるために、精神だけでなく神経系(身体)も非常事態使用に切り替わってしまいます。

ですので『身体はトラウマを記憶する』で描かれたように、PTSDはほとんど身体の病気です。だからソマティックエクスペリエンスなどの身体アプローチの治療が必要です。

当事者だから率直に言って、PTSDは「ヒトの動物返り」だと思ってもらえると理解しやすいです。

小児期トラウマのカケラと「忘却の空」【実録・小児期トラウマ治療1】

恐怖心が制御できずにテンションが乱れたり、不眠に悪夢、過度な攻撃性などが「制御不能」に現れます。

仕事中だろうと大事な試験の日だろうと楽しいデート中だろうと、容赦なくフラッシュバックが襲います。

同じトラウマを負っても制御が効いている場合は病気の診断はおりないことになります。

複雑性PTSDは、トラウマとなる出来事が繰り返し起こり逃げることも闘うことも出来ずにやられ続けることで起こります。

ストレッサーへの怒りも、長年の圧政下でもう消え失せて、むしろ従順に洗脳されていたりします。

人生の初期から主権のない人生を送っているために自分の意見はなく、身体も自由が無いように無力感でいっぱいで、治療への反応性も低いことがあります。

おおむね5歳以下から奴隷的扱いを受けた人のうち、特性が適合すると「解離」というスキルを身につける人がいます。

複雑性PTSDであっても解離性同一性障害を発症出来た場合、社会生活には問題を来しますが、自分のコアは守れていたります。

私の考えでは、解離出来ない複雑性PTSD患者さんは加害者によって再起不能なまでに自我をぐしゃぐしゃに折られてしまうリスクが高まるのではと思います。

解離していないと恐ろしすぎる恐怖から24時間ずっと逃れられず精神を病むし、解離出来たら出来たで身体の感覚が非常に薄く生きている感覚も薄いまま「生きてるか死んでるかも分からない」人生が続きます。

トラウマの残りやすさ、ダメージの受けやすさは個人差があるため、一概にこのくらい酷い体験でないと罹患しない、とは言えません。

ただ、トラウマの痕跡が深々と身体記憶に刻まれてしまうと、もう「普通の人っぽく」生きることは絶対に不可能です。

realptg的「治らない病の治し方」1 基本方針

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複雑性PTSDはどれくらいで治るの?通院頻度は?

私の病状はおそらく中〜重症のどこかだと思われますが、主治医からは「三年はかかる」と言われました。

治療を始めて二年半。まだやっと折り返したかも?くらいです。

通院頻度は2週間に一度が一般的ですが、一番混乱していた時は見事に病院漬けで無茶苦茶多忙でした。

週1で精神科

週2でカウンセリング

週1でボディケア(整体など)

⓪病を治すには、動物になって考える?

これを一年以上、フルタイムで働きながら続けました。通院歴は10年以上、ボディケアは5年続けています。そこにカウンセリングが乗ってきた感じですね。

正直言って、リモートワークがなければとても体力も気力ももたなかったと思います……コロナ禍に助けられました。

18時まで仕事して、昼休み抜けて通院、仕事終わり通院、土日も通院です!

まるで修行僧、いや修験道のごとく、鬱で動かない身体と頭に鞭打って頑張って通いました。

…と、これは全くもって私一人の体験ではなく、メンタル系の病気を本気で治そうとしている患者様であれば皆通る道です。

症状別・「治らない病」の治し方のまとめ

休職期間中も含めてこの生活を3年続けて、そこからまた複雑性PTSDの治療でプラス2年なので、世間のイメージよりずっとずっと精神科患者はストイックですよ。

だって、病院に行かなかったら生きた心地がしないほど混乱するんですから。

脳の機能障害ですから、何もかもコントロール不能で制御不能であり、正しい知識と臨床経験のある専門家だけが唯一の味方状態なのです。

サボってもっと悪化させて自我が崩壊していくのを眺めるのか、多少楽しいことも我慢して時間と気力を捻り出して通院するのか、患者はそんな選択を迫られます。

TMS治療を受けた時は頭痛と鬱で起きたがることも困難でしたが、治る希望をかけて2週間毎朝通院しました。

ウツなのに通院は出来るんだ〜じゃなくて、通院しないと治る見込みが無いから杖をついてもタクシー代を払ってでも行くんです。

ただ、私は頑張って良かったです。本当に。今は月一回の経過観察と、週一回のカウンセリングのみです。

その代わり、交感神経系の過剰という体質によるガッチガチの身体をゆるめるためにボディケアに週2回行っています。

スケジュールが通院で埋まっていないのは、ああやっと人間になれたなぁと妖怪人間みたいな感想を持ちます。

それと、これは患者さんの個人的な好みの問題ですが、メンタル通院を隠している方って結構多いんですね。

私も会社の総務部以外には特段カミングアウトしていません。

なので、軽やかに仕事をこなした上にさらにヘロヘロになって通院するというなかなかタフなことをしていました。

そういう自分に酔っている訳でもなんでもなく、ただ事実としてそうやって生きてきたという一例をご紹介しているのみです。

仕事や恋愛や家庭や趣味と闘病を両立することは可能ではありますが、なかなかの長期戦をタフに闘う気力は必要ですという事例でございます!

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複雑性PTSDは働けるの?

まず、病気の状態とは「制御不能で生活に支障がある」とご理解ください。

トラウマに苦しんでいたとしても、制御がきっちりできて希望通り働けていれば病気とまでは言えないからですね。

では、仮に、こういう人を想定してみてください。

中年のオジサンと目が合うと、1/10の確率で恐怖で我を忘れて身体がトラウマ反応で制御不能になる

という人がいたとします。本当は体調やストレス状況や天気などに左右されますが、いったん確率論にしましょう。

その人は女性だけの職場なら働けるかもしれないし、リモートワークならマシかもしれないし、人と目を合わせない仕事ならできるかも知れません。

PTSDは災害や事故、または人がトラウマの原因となりますので、特定の状況や人を極端に避けようとします。

私の場合ですと、唇の薄い薄情で意地悪そうな女性が同じ職場にいると調子が狂いっぱなしになります。

電車や行列で、自分に甘そうなマザコン風男性に背後に立たれると失神します。

つまり自分を追い詰めた虐待親に似た人を見ると、攻撃的な人格に交代して制御不能になります。

それ以外の場所では、かなりストレスに弱いというだけでやれないことはない、という感じですね。

ですので、複雑性PTSDだから絶対に働けないということはありません。

個々人が何故複雑性PTSDになったのか、その原因と出てくる症状次第です。

ただし、メンタル系疾患全体に言えることは、とにかく眠れません!

週2は事実上徹夜してしまうほどの不眠に加えて、多少眠れた日も悪夢にうなされ夢の中で銃を乱射される夢を繰り返し見ます。

(悪夢による浅い睡眠はPTSDの顕著な症状であり、寝不足がさらにメンタルと脳を削ってくる負の無限ループです笑 中学生以来目のクマが消えない連続記録更新中です!)

その慢性的な極限の睡眠不足で働くわけなので、正直なところ辛いし上手くいかないし若くないと厳しいと思います……。

それでも働かないと治療費が捻出できないんです。

ご参考までに。私の昨年の医療費はカウンセリング50万円、身体のケア30万円で最低でも80万円かかりました。

日本の医療システムは(親のせいで病気になった)精神病患者に厳しくてですね、カウンセリングは健康保険から出ません。自費です。

海外では当たり前のカウンセリングですから、治療ガイドライン的にはカウンセリングは必要なんです。

が、それは良心的なところで1時間6000円。経験の多い先生に頼むと倍、3倍も当たり前です。

受けなければ治らないし一緒苦しむことになる。それなら働きながら治すほかに選択肢がないというのが実情かと思います。

ほかの精神疾患と違い、複雑性PTSD患者さんは毒親育ち比率が高めと推察されますから、実家に住んで実家に金銭的支援を頼むことは現実的ではありません。

ですので残念ながら働かないと治せない、でも働くことで治療が遅れる、というジレンマを抱えさせられるところが辛いです。

逃げ場の有無とレベルがPTSD/PTGの境目?〜マズローとニーチェで読み解く〜

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複雑性PTSDは海外に行ける?飛行機に乗れる?

たまにネットで見かけた質問です。

これも一律でどうこうは言いづらいですが、一般論と自分の感想としては、

その時に調子がかなり良く、信頼できる人が一緒で、周囲に不穏な人が一切いなければ乗れる可能性が高い

という風にしか言えないかなと思います。

私は海外旅行が趣味でしたが、過去に10回以上は飛行機をドタキャンしてきました。

二人分で20万円のキャンセル代を支払っても、どうしても乗ることが出来なかったこともあります。制御不能だから精神病なわけです。

そんな調子で大丈夫であれば、乗れる時に乗れば良いような緩い状態なら多分乗れます。

なんせ飛行機って密室ですから…監禁経験者には辛い空間なんですよね。

ちなみに海外生活自体は可能ではないかと思いますよ。

地震被害や痴漢など日本人特有の悪習によって病気になったのであれば、それが起こらなそうな国に行くと元気になりそうに思います。

ただし、理解のある医師やカウンセラーさんの目処が立たずに行くのは無謀です。

家族同伴、かつ、家族に深い理解があれば全然問題ないと思われます。

「母親がサイコパスでした」良い子と毒親の葛藤【実録・小児期トラウマ治療4】

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複雑性PTSDは笑うの?大股で颯爽と歩ける?

これもよく見かけます。

エビデンスも何もなく個人的印象ですが、満面の笑みとか、自然な微笑みとか、大爆笑は無理だと思います。

そもそも神経系がイカれているからPTSDなんです。理由は過去記事で詳しくご説明しているのでご覧ください。

③治らない病の原因は、ストレスからの「凍りつき」?

そんなやすやすと副交感神経系を自在に使いこなせていたら病気じゃないのでは。

うつ病の最初のサインは表情が減ってくることにあるくらいで、表情の豊かさって取り繕えないんですね。

筋肉で笑ったり、ニヤついたような不自然な笑い方になったりすると思われ、大きな口を開けてワーッハッハッハッ!と笑ったのは人生でもほとんど記憶がありません。

プライベートの時の表情が明るくて、笑顔が自然だったら、病気までは行っていないんじゃ無いかと思われます。

なお、公の場で表情が固まるのは当たり前なので病気ではありません。

笑顔をはじめとする自由な身体活動を司る脳の機能が落ちているから鬱状態です。

具体的に言えば、前頭葉や側頭葉、頭頂葉など、運動と感覚を司る脳領域の活動量が低下し、さらに各領域同士の連携も崩れているからメンタル病なのですね。

ですから、CPTSDであれ双極性障害であれ、メルタル病により患者には鬱状態が現れます。この時は脳の活動低下と、その結果としての神経系バランスの悪化により、特に意欲面や筋肉や運動機能に障害が出ます。

表情筋が豊かに自由に柔らかく動かすことが出来なくなり、股関節や肩関節などが固まって、メンタル病特有の「俯き加減の小股トボトボ歩き」になります。

樺沢紫苑先生が提唱なされる「運動・睡眠・朝散歩」が効くのも、心技体の原則からしてセロトニンが整って身体が動くようになれば、全身健康になれるという訳です。

つまり、表情ゆたかに、よく食べよく動き前向きで意欲的で自我が強く、颯爽と闊歩できる人は脳内物質(セロトニンなど)の乱れが無いという証拠。

だから精神科医やカウンセラーは、患者の動きや表情からも状況を読み取るよう指導されるのです。

メンタル病・精神病を治す基本「心技体」とはなにか

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複雑性PTSDをカミングアウトするのって、つまり、性被害に遭ったってこと?

そう、これが大問題なんです。

女性がカミングアウトした場合、ほとんどの聞き手は「ああ、家族からのレイプか」と察します。

ほとんどの方は優しく良い方ですが、稀に性被害にあった被害者を侮蔑的に扱うさもしい人もいるのは事実です。

ひどいコメントだと「尻軽め、お前が誘ったんじゃねえの?」「淫乱かよ」「汚らわしい」と平然とのたまう人が男女問わずいるのは変えられない事実です。

私はおそらく性被害は無いか、あっても少しだと思いますが、それでもそんなジトーっと見下されたら良い気分はしません。

ですので、病名をカミングアウトしているのは医療関係者とごく親しい友人のみにしています。

実際に性被害者の方が心無い世間からの冷たい視線で更に傷ついていることを思うと、怒りしか感じないんですが…この男尊女卑システムはそう簡単に変えられるとは思いませんね。

実態はともかく、複雑性PTSDという言葉には言外にレイプを匂わせてしまうため、安易に誰かにレッテル貼りをしないことをお願いします。

児童虐待でも性虐待でも、本人が安心してカミングアウトできるようになったタイミングを尊重してあげてほしいのです。

まだ自己洗脳がかかった状態で記憶を引き出そうとすると余計に混乱して傷つくだけです。

【対処法】自己愛性パーソナリティ親による、自己愛憤怒・しつけ(虐待)

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複雑性PTSDはみんな多重人格障害なの?

この質問は絶対にサバイバー当人にはしないでほしいので、ここに書いておきます。

解離の研究はほぼ手付かずで、まして多重人格の研究は世界的に全然進んでいません。

ただ、おおよそ5歳くらいまでに、後天的に獲得する能力が解離であり、その技が高度化したものが人格の分裂ではないかと言われてます。

つまりトラウマ体験が5才未満であれば多重人格になる可能性があるし、それ以降では可能性が低いことになります。

ちなみに、私は多重人格だから今もノー天気さを残して生きていけていると確信がありますし、先生もよくそう仰います。

デメリットof人格統合・解離治療〜時間軸が受け止められず、リアル35歳の少女になる〜

トラウマを引き受けている人格は先述の通り警戒過剰で怖い顔をしていますが、幸にして私の中にはほぼ無傷な人格がいます。

これを一人で引き受けていたら、おそらくまともなコミュニケーションは出来なかったんじゃないかと思うし、とても働いたり旅行に行ったりは出来なかったでしょう。

複雑性PTSDの難しいところは、その原因体験の多様さもさることながら、解離的防衛が出来ているかや、その後のサポート状況(人モノ金)次第で病態が全然変わってくることです。

その後次第では、人格が潰されて病気と立ち向かう意志も潰され、治療からもドロップしてしまう患者さんもいらっしゃいます。

主治医によると私が受けた体験は結構悲惨な方らしいですが、その後がラッキーだったのと解離が使えたために予後が良いのだそうです。

複雑性PTSDと解離性同一性障害を併発している方もいるにはいると思いますが、多重人格に対するスティグマも強烈なので自己申告する人はいないでしょうね。

多重人格…普通の人はシリアルキラーだと思っちゃいますよね。

なので、この病名はかなりデリケートな個人情報を色々はらんでいることがご理解いただければ幸いです。

普段は怒らない解離な私が、キレたサイコパスになる時

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複雑性PTSDは妊娠出産できるの?結婚できる?

基本的に主治医に全力で止められます。

服薬の関係もあるし、何よりメンタルも神経系も超絶不安定な母親のところに生まれてくる赤ちゃんがかわいそうですから。

薬で言うと、複雑性PTSDには大きく分けて以下の薬が処方されますが、併発している症状や合う合わないで色々変えていくのが普通です。

①急性期には抗うつ薬→主流はSSRIやSNRIで、基本的に妊婦投与は控えるものが多い

②向精神薬→安定させるためにエビリファイなどの投与が一般的。一応妊婦さんもOKとされているが、主治医によっては慎重派の方もいるかも

③気分安定薬→炭酸リチウムのリーマスは妊婦OKとされるが、ラミクタールやパルブロ酸は微妙

④抗不安薬や睡眠導入剤→ものによっては妊婦OKなので、合う薬が適応内だとラッキー

よって、急性期でなければ妊娠自体は可能ではあります。

でも、主に虐待によって罹患する病気の患者さんが、病気が治ってもいないのに子供を作るって博打すぎるんです。

それで親子ともども幸せになるケースも実際あるにはあるんですが、数年して再発してももう子無しには戻れないんですね。

最終的には患者の人権に基づいて患者が決めることですが、主治医や周囲の人が積極的に応援する状態では絶対にありません。

主治医や社会が介入したら、優生保護法に逆戻りですからね。

ただ、母親本意の妊娠で後々傷つくのは子供なので、患者(母親)が産まれてくる子を犠牲にして自分が治っていくという可能性はあります。

ここでは倫理的な問題は語らないことにします。

病気とたたかう人へ「大切なお金の話」

なお、結婚は本人が望めば出来ないことはありません。ただ、性的虐待が原因の方ですと、異性への恐怖心こそが非常に辛い場合もあります。

ただ、うまくいくのはパートナーにも義両親側にも理解と度量があった場合です。

普通の同世代のように、働いて家事もして育児もして……というのは体調に波がありすぎて約束出来ません。

私個人は、掃除をすると過去が侵入してしまって発狂していたり子供みたいに泣き喚いてしまいます。

そもそも自己肯定感マイナス5000万くらいの人間が他人と対等な関係を作るのが非常に難しい。つい、奴隷になってしまうんですね。

小さい頃は親にいじめられ、学校ではクラスの人にいじめられ、職場でもいじめ、結婚したらDVということは、残念ながらあります。

うちはツレに「結婚は恐怖すぎるから、すまんが事実婚で頼む」と言っているし、過去何度も婚約破棄みたいなことをしています。

突然、安定した「家庭に殺される」という過覚醒モードになるんです……自分でも病的だと分かっていますが、キツかった子供時代の家庭がフラッシュバックすると、もう恐怖が暴走して止められません。

誰かが誰かの「神様」になれるーーPTGは一人にして成らず

realptg的「治らない病の治し方」6 マインドフルネス活用法(動的)

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複雑性PTSDは一人で出歩けるの?

これもトラウマの原因が何か次第だと思いますので、個人の感想を書いてみます。

私は目的のない散歩とかランニングは苦手です。

そもそも社会に不信感があるし、見知らぬ他人は全員殺人鬼に見えます。

呼吸はできないけど観察と分析はできる「生物多様性」【実録・小児期トラウマ治療2】

それはトラウマのせいで認知が盛大に歪んでいるので、周囲や社会の問題でないのはよく分かっています。

それでも、病人の目からは世界がそうやって見えてるんです。

仕事に行く、友人に会いに行く、買い物に行く、旅行やレジャーに行く、ということはありますが、ただ楽しく街をブラブラ歩くようなことはありません。

後ろから刃物で刺されるかも、爆発に巻き込まれるかも、自己愛おじさんに当たり屋行為されるかも、とあらぬ被害妄想で頭がいっぱいなんです。

私は昔から友達や彼氏、夫との複数行動を心がけてきました。

一人で歩く時は鬼の形相で「近寄るな」オーラを全開にしてフルマックス警戒モードで歩きます。そういう癖なんです。

ですので、ボーッと楽しくウォーキング♪的なことは人生で一回もなかったように思います。

道で会うと、人が違っているのか気づかれないこともあるくらいです。

HSPさんの中には、SとMがいる

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複雑性PTSDは見た目で分かる?

これも以前記事を書いております。

サバイバーを見た目でチェックする方法(thxジョブズ先生)

先にも書いたとおり、心と身体が長いことバラバラな動きをしてきた人って、なにか独特の人間離れした感じがします。

女性だと「驚いた顔のまま凍りついている」みたいな言い方をするんです。

トラウマ体験の瞬間って、普通は突然の惨劇にビックリする。その瞬間のまま身体が記憶しちゃうということ。

若い時の浜崎あゆみさんの目って、普通では考えられないくらい大きいと思いませんでしたか?

あゆの「A Song for ××」から愛着障害無秩序型アダルトチルドレンを解読してみる

私たちサバイバーは、普通ではあり得ないレベル、つまりビックリした瞬間にしかあり得ないレベルで目をぱっちり開け続けることが出来たりします笑。

この、目を開けまくって警戒しまくって生きていくパターンは体の弱かった人に多いんじゃ無いかと個人的には思います。

一方、同じトラウマ体験をしても、目を開いて警戒するよりも「何も見たく無い」と目を小さくする戦略のサバイバーさんもいます。

これはどちらかと言うと男性に多い印象で、残念ながら凶悪事件を起こした犯人で家庭環境が悪かった人なんかは尋常でなく細い目の人がいます。

先程のリンクで分析したジョブズさんは目の開きは普通ですが、額の筋肉の緊張度合いが尋常ではないし、よくよく見ると目も全然自然じゃなくて緊張が強いのが分かるはずです。

それと、私が特緒的だと思うのは、自分の感情を悟らせない工夫をしがち、ということ。

目を開くタイプだと笑顔が貼り付きがちですし、目を細めるタイプは無表情ではないが読み取りづらい顔になります。

自分の感情ってホモサピエンスにとって急所を晒すようなものなので、警戒の強い人は腹の底を簡単に悟らせるようなヘマをしません。

無表情は無表情で隙だらけなので…芸人のみやぞんさんのような複雑なニュアンスの独自の表情を確立していくことが多いと思います。

私は目をガン開きして常にニヤつく表情が貼りついていて、あらゆる友達、職場の人から常に怖い、おかしいと指摘され続けてくるくらい顔面に違和感が出ていました。

要するに、何もかも緊張と警戒で不自然な顔になっていきます。

サバイバーや育ちの不幸だった人で、顔が完全にリラックスして顔面の筋肉がゆるゆるな人は見たことが無いし想像がつきません。

死生観・桜・七つの習慣・ハイデガー・フロム・量子力学

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複雑性PTSDは悪口を言われただけでもなる?

私の見解では、PTSDまで行ってしまうかどうかは2つの基準があると思っています。

①物理的に逃げられない、または逃げても逃げても連れ戻されることで、身体の主体性を侵害され続けたことによる学習性無力感

②その状況をこの世の誰一人理解してくれず、助けも共感もゼロで、相談すら長年誰にも出来ないほど孤立無縁であったために、自分だけで身を守るために自己洗脳状態とも言えるほど認知が歪んでいる

お医者さまによっては、もっと適応障害っぽい患者さんにも診断をつける方がいらっしゃると思います。

ただ、自分が他のどの精神病でも説明できない変数を複雑性PTSDの文脈で整理するとこんな感じです。

これも勝手なイメージ論になりますが、トラウマ体験をしても誰かが助けてくれたケースでは境界性パーソナリティ障害に進む可能性があるように思います。

BPDは他者への期待が膨らみすぎて、他者依存をやりきろうとして異常さが出てしまう病気なのですが、私はそこまで依存しきれないんです。

ボーダーっぽさは充分兼ね備えていつつも、ボーダーさんほどは世界を信じていないという感覚です。

メンヘラ・ボーダー・境界性パーソナリティ障害の恋愛は、なぜ破滅的なのか?【当事者分析】

また、物理的に逃げられるとか、学校のイジメなど場所が限定されていた場合では、その人の体質によるんじゃないかなと感じます。

たとえば、ひろゆきさんのような悪口耐性の高い方は、おそらく悪口では病気になりませんよね。

逆に自己愛性パーソナリティ障害の方や自己愛傾向の高い方は、ほんの冗談や親切な忠告も一切許すことが出来ません。

認知の歪みによってありとあらゆる世界の言説が自分への刃であると感じてしまう病気だからです。

【解説】科学的にいじめ対策を考える

不登校の子供を分析していくと、知的発達の問題を抱えているか、自己愛性パーソナリティの子が多いというのが最近の通説です。

よって、最初は自己愛性パーソナリティだった人が何らかのきっかけで言葉に過敏になり、認知の歪みによってどんどん追い詰められてPTSD的になる可能性は十分にあるでしょう。

実際に神経系が上述のようにやられてしまって、24時間365日リラックス出来ず不眠と悪夢に苦しむようになれば、それはもうPTSDとして治療すべきです。

「悪口」を感じる場所だけを避けるのではあれば適応障害の枠組みで治療することになるでしょう。

「悪口」被害を訴えていても身体的な症状が一切ないのであれば、やはりパーソナリティ障害として治療することになりますが、ご存じの通り自己愛性パーソナリティ障害の人は自分がNPDであるとは決して認めません。

自己愛性パーソナリティ障害の受け流し方

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自己愛性パーソナリティ障害と詐病というデリケートすぎる大問題

NPDの人は同情を買いやすく自分が有利に被害者ポジションにいられそうな病気を選びますので、現代日本では鬱病が大人気です!

おかけで「新型うつ」なんて言葉が流行るくらいで、可哀想な被害者として大事にされつつ自分の問題から逃げるためなら嘘を厭わないのがNPDさんです。

ある職場の人のお話しです。彼女は意にそぐわない異動を命じられてすぐに精神科へ駆け込み、1年間の休職をゲットしました。

そのまま海外バカンスへ出かけた彼女は、様々な国での開放的なウキウキライフの様子をSNSにアップし続けたため、会社中に悪事がバレました。

悲運にも同じ部署になってしまった私は、新年度のスタートとともに二人分の仕事を重病の身で負わされてすっかり体調を崩しました笑。これぞNPDのKY攻撃笑。

しかし、とにかく我が強く頑固で攻撃的なので会社側はそれからずっと彼女を希望の部署に残留させています。これはガチ実話です。

お医者さまもさぞかしNPDさんの自己申告と押しの強さ、現実の否認の強さには困っていらっしゃると思います。

ですので、NPDの方が人生思い通りにいかないことに腹を立てて「被害者化計画」を策定し、たまたま複雑性PTSDを見つければ、その人は首尾よく複雑性PTSDの診断書をゲットする可能性はあります。

NPDの詐病癖については非常にデータの取りづらい、かつ非常にデリケートなテーマであり、今後も研究は進まないと思われます。

後編 病気だとしても、楽しく働くための基礎知識

実際、本人は思い通りにならないことに激しく怒っているし、苛立っているのでメンタルに問題が無いわけではないのが難しいところなんですよね。

NPDは何が何でも我を通そうとし自己中心的にい続ける結果として孤独になり、男性は特に自殺率の高い難しい病気です。

ただ、繰り返しますが認知の歪み(人格の障害)が原因なのでうつ状態を治療したとて原因が何も改善されていないために再発リスクは高いままとなります。

モラハラ夫が自己愛の問題を解決せずに離婚と結婚を繰り返しても幸せになれない、と言えばわかりやすいでしょうか。

自己愛者のせいで「精神病はほぼ詐病」というイメージが蔓延しているのは非常に迷惑ですが、神話の時代からあるテーマですので決して改善はされないと思います。

自己愛者を増やさないことと、一般の人が広く自己愛者の異常性について知識をつけて「被害者化計画」に乗らないことが大事だと思います。

恋愛や婚活でハラスメント屋さんや依存体質の刺激ジャンキーを見つける方法

同情されること、自分にとっての個人的な敵が「加害者」として成敗されることが、自己愛者の悦びです。

彼らを喜ばせると、まじめに生きている人が生きづらい世界になるので、とにかく知識が大事なんですね。

よって本稿もまた、自己愛への啓発で締めたいと思います。

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自己愛の人の口車に乗らないことこそ、本物の病人と社会が共存共栄する最大のヒント!

長かった本稿、最後までお読みくださりありがとうございました。

たくさん過去記事があるので是非そちらもご笑覧ください。

最後に一つだけ、私からのお願いです。

人格を潰されるほど苦労をしたとしても、幸せに何不自由なく暮らしてきた人にも、平等に訪れる精神性への試練があります。そう、自己愛への逃避をするか否か、という試練です。

自己愛に逃げれば、辛さと向き合う必要がなくなり、ただ他者や社会に八つ当たりしていれば発散されるというチートが発動されます。

そんなイジメ・モラハラパワハラセクハラ・虐待DV人間、どんな良い家柄生まれだろうとすごい経歴だろうと、尊敬されません。

だから日本では「徳」が何よりも重要視され、エリート教育では論語など「徳」の教育こそ徹底されたのです。

しかし、資本主義・都市化・民主主義の陰の部分として、感じたら辛すぎる劣等感を自己愛で糊塗するチートが大流行しました。

健常者にも自己愛チートはいるし、残念ながら病に苦しみ過ぎて自己愛に逃避する患者たちもたくさんいます。私もかつてそうでした。

【当事者分析】私の中の自己愛性パーソナリティ障害 背景編

自己愛に逃げて、また戻ってきて、はっきり言えることがあります。優しく常識のある患者は、かならず誰かが代わるがわる助けてくれる。支えてもらえる。絶対に未来は明るい。どれほど時間がかかろうとも。どれほど病が重く絶望的であっても。

しかし、優しさというヒトの美徳を放棄し、ワガママと自己中と保身だけで生きる浅ましい人間は、患者だろうと健常者だろうと金の切れ目が縁の切れ目になります。

日本仏教で「ただ仏様にすがって南無阿弥陀仏だけ唱えなさい」という教えが広まったのも、私は「幼児性万能感に踊らされるな、謙虚に生きろ!」という高僧の激励なのではと感じます。

仏教の世界では、こんな絶望的な病気も「自因自果」です。結局責任は自分で取らなきゃいけないし、自分になにかの「縁」があったという解釈になります。

すべての患者も健常者も、アドラー、ニーチェ、仏教が伝える主体的な態度によって、自律・自立した個人同士お互い様やね、という相互扶助が出来ていけば良いなと思っています。

自己愛フリーライダーのテイカーが増えすぎると社会は崩壊します。辛いかも知れないけれど、他人のせいにしないことこそ幸せの近道であると、リアルPTGーー現実を生きる心的外傷後成長患者は思います。

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